サドルプルアップはベルギー・マシュア社が生産する非常にハリ感の強い牛革です。昔から馬具にも使用されていた皮革のため、耐久性の高さも折り紙つきです。また、サドルプルアップは今日では珍しいタンニン鞣しで仕上げられていることから、使用することで透明度の高い独特の艶感が生まれます。WILDSWANSではお財布での製作が多いサドルプルアップですが、鞄でもそのポテンシャルを十分に発揮できる素材です。
RETRA(レトラ)は、WILDSWANSが20年以上にわたって培った経験や技術を生かすことで完成したミニショルダーバッグです。
フラップ先端部分を除くとWILDSWANSらしい美しい曲線を随所にあしらったデザインが採用されています。マチ部分の本体からせり出たコバは、WILDSWANSのアイデンティティーとも言える仕上げ方法によって力強さと美しさを調和させ、RETRAを象徴するパーツとなりました。また、留め具にはこれまで主に財布などで使用しているホックが採用されるなど、従来からのWILDSWANSのイメージがそのまま投影されたミニショルダーバッグに仕上がりました。
コンパクトなボディのRETRAですが、外装はサドルプルアップが醸し出す重厚な雰囲気によりがっしりとしたインパクトのある表情です。本体底には、WILDSWANSらしい曲線を生かした当て革パーツが配置されています。また、マチ部分にはWILDSWANSらしい迫力のあるコバの重なりを見ることができます。なお、衣類への直接的な干渉が避けられないショルダーストラップについては顔料仕上ですが、比較的衣類への干渉が少ない本体のコバ部分については染料を用いた磨きをかけています。WILDSWANSのスタンダードな仕上げ方法を踏襲することで、バッグにおいてもブランドの価値を忠実に表現しています。衣類への直接的な干渉が避けられないショルダーストラップのコバは、顔料により移染が軽減されますが、染料で仕上げた本体部分はショルダーストラップに比べると移染が起こる可能性があるため、気になる場合はできるだけダークトーンのお召し物と合わせて頂くことをお勧めします。
本体と同じサドルプルアップで製作したショルダーストラップは、2.5㎝間隔で7つの調整穴を設けることにより最短102~最長118㎝まで調整が可能です。また、肩に触れる内側には程よいクッションが入った可動式のショルダーパッドが付属されることから、長時間の持ち運びでもストレスが少ない使用を実現します。ちなみにショルダーストラップの外側もサドルプルアップですが、内側にはフランスのアーナル社が製造する牛革のTHEA(テア)を組み合わせることで、肩掛けにした際にショルダーパッドがズレにくくなる工夫も施されています。
フラップの内側には、WILDSWANSのお財布などでも使用されるシルバーカラーのホックが左右に1点ずつ配置されます。フラップを閉めるたびに奏でる小気味の良い金属音からも、WILDSWANSらしさが十分に伝わってきます。また、フラップの内側の中央には、WILDSWANSのロゴが刻印されています。縫製の大部分は足踏みミシンで仕上げていますが、前身とマチを繋ぐ縫製やショルダーストラップなどの縫製の一部は手縫いにより仕上げています。いずれも熟練した職人の技術が必要不可欠なポイントです。メイン収納部は、内ポケットなどが一切付かない一室構造です。こちらの内装には上質な手触りのキッドスエードがあしらわれ、外装のサドルプルアップと共に収納したアイテムを優しく保護します。スマートフォン、財布、キーケースなどお出掛けに必要最小限のアイテムでしたら、余裕を持って収納ができます。